※本記事は三枝由香利が監修しています。
何となく留学したいという気持ちになったことはありませんか?
確かに、留学は将来のためになりそうな気がします。
しかし、何となく留学しても、想像していたような成果や経験が得られるとは限りません。
留学の成果を最大限に高めるためには、留学の目的を明確にすることが肝要です。
そこで、この記事では、留学の目的を明確にして、留学の成果を最大限に高めるための簡単な方法について説明します。
是非、参考にしてください。
留学に目的は必要か?
そもそも留学に目的は必要なのでしょうか?
留学することは悪いことではないので、目的がなくても行けば行ったで得るものがある、だから、頭でっかちに考えずにとにかく行動した方がよいというようなこともいう人もいます。
このようなことを言う人は、留学ビジネスに携わっている人に特に多くいます。
留学ビジネスに携わっている人にとっては、小難しいことを言わずにとっとと留学に行く人の方が、扱いやすい、よいお客さんなので、彼らは「考えるより行動あるのみ!」と発破を掛けて、どんどん留学して欲しいと考えています(留学ビジネスに携わる人のすべてそうというわけではありませんが)。
しかし、留学に限ったことではありませんが、人生を左右する可能性のある大きな行動をするときには、その目的を整理して、どうすれば目的を達成できるのか、最大の成果を得ることができるのかということを考えたほうがよいでしょう。
折角、若い時という人生の中の掛け替えのない時間とお金を使って留学に行くわけですから、より大きなものを得て、一生、「あの時に留学に行って良かった」と思えるような留学にした方がよいでしょう。
しかし、既に留学する気持ちが固まっているのにもかかわらず、後付けで目的を決める必要はあるのでしょうか?
この点については、後付けでも、やはり、目的を明確にしておく必要があると思われます。
留学と一口にいっても、その態様は様々です。
いつ、どのくらいの期間、どの都市の、どの学校の、どのコースに留学するのか、どこに泊まるのか、事前にどのような準備をするのか等、留学に際して決めなければならないことが多々あります。
留学の目的は何かを明確することによって、どのような留学にすべきか、あなたの留学があなた自身でデザインすることが可能になるのです。
それでは、留学の目的はどのように整理すればよいのでしょうか?
留学の目的が既に明確になっている人は問題ありませんが、留学に行きたいという気持ちだけ先行して、目的が定まっていないはどうすればよいのでしょうか?
この点、留学に行きたいという気持ちがあるのなら、その理由を整理する必要があります。
例えば、英語を話せるようになりたくて留学を考えている場合、英語を話せるようになることが留学の目的でしょう。
そして、次に、なぜ英語を話せるようになりたいのかについて、自分の気持ちを分析する必要があります。
英語を話すことで何を成し遂げたいのか、何のために英語を学びたいのか、自分の気持ちを整理しましょう。
そして、英語を話せるようなりたい理由が、外資系企業に就職したいからということであれば、さらに、なぜ外資系企業に就職したいのかについて、自分と向き合います。
このようにして、最終的なゴールがどこにあるのか明確にしておくことが大事です。
ゴールが明確になっていると、そのゴール向けてどのような留学にすべきか、組み立てることができ、軸がしっかりと定まります。
また、目的意識はモチベーションの源です。
目的が明確になっていた方が、英語の学習にも熱が入るでしょう。
代表的な留学目的
留学目的として、次のようなものがよく挙げられます。
- 最先端の学術・科学技術の研究や学位取得
- 国際的な人脈の構築
- 語学力の向上
- 海外での職業体験
- 海外での社会貢献
- 異文化の体験
以下、それぞれについて説明します。
最先端の学問や科学技術の研究や学位取得
日本の学術・科学技術分野での発展は著しく、国内の大学では、様々な分野で世界最高レベルの教育が受けられるようになってきてきました。
そういった意味では、学部レベルの教育や研究において、国内の大学ではなしえないという分野はほとんどなくなってきたように思われます。
しかし、海外の大学の方が進んでいる分野もありますし、大学院レベルでの研究支援体制の点では、海外の方が進んでいるケースも多々あります。
このような分野において、留学して世界最先端の教育・研究のために留学することは、理にかなっています。
また、MBA等では、教育の内容もさることながら、就職時における評価の点でも海外の大学で取得した方が高く評価される傾向が強く、その点でも海外留学は意義深いといえます。
国際的な人脈の構築
最先端の分野で学ぶために世界各国から集まった優秀な人たちと、共に学び、一生モノの友情を築くことができることも留学の目的のひとつとなるでしょう。
シリコンバレーでは、学生時代の友人と起業して成功した例が多分にあります。
そのような掛け替えのないビジネスパーとーを見つけることができるかもしれません。
また、留学中に出会った異性と交際し、結婚するケースもあります。
ビジネスパートナーだけでなく、人生のパートナーをも見つけることができたら最高ですね。
もっとも、このような人脈の構築は副次的な目的にはなりえても、主要な目的に据えるべきではありません。
留学に来て、友達作りにばかりに勤しんでいるような人の元には、魅力的な人は集まってこないでしょう。
語学力の向上
今日では留学というと、語学留学を指すことが多いように思います。
ですので、この点について、最も紙幅を割いて詳しく説明します。
語学留学の主たる目的は、当然、語学力の向上です。
留学に行けば、留学前よりも語学力が向上していることは、ほぼ間違えないでしょう。
しかし、時間とお金を使っていくわけですから、留学前のとの比較で向上していることは当たり前のことです。
留学期間に日本で懸命に語学学習を積んだ場合と比較して、留学した方が伸びていないと意味がありません。
また、留学には費用が必要なので、その捻出のために、留学前にアルバイトをする人も多いでしょう。
ですので、比較するのであれば、アルバイトに当てた時間も含めて語学学習を積んだ場合と比較しても、留学した方が、語学力が向上したといえなければなりません。
この目標を達成するためには、留学先で日本人とつるんでいるようではいけません。
語学の学習において、国内で勉強することと留学との最大の違いは、24時間外国語漬けの毎日を送れるかどうかです。
ですので、語学力の向上という目的を達成するためには、いかに24時間外国語漬けになるかという基準でプランを編成すべきでしょう。
また、語学力の向上の先にある目的についても、できれば明確にしておきましょう。
何のために語学力を向上させたいのでしょうか?
例えば、正規留学のための準備なのか、就職のためなのか……。
この点を明確にしておくと、留学中にどのくらい英語力を向上させなければならないのか、目標が定まります。
目標はなるべく明確にしておくべきです。
数値でおける目標は極めて明確です。
例えば、TOEFLやTOEIC等の点数を目標にするとよいでしょう。
目標を明確にしたうえで、その目標を達成するための留学プランを組み立てます。
留学プランの組み立てには、次の2つの記事も参考になるでしょう。
- 大学留学を成功させるために絶対に知っておくべき4つこと
- 留学を成功させるために知っておくべきホームステイに関する3つのこと
例えば、外資系企業への就職のために語学力を向上させたいという場合、状況さえ許せば、最善策は、1年以上の正規の留学をすることです。
正規の留学とは、単なる語学留学ではなく、留学先の大学の正規のプログラムを受講して単位を取得することです。
正規の留学には、そのまま留学先の大学を卒業して学位を取得するものと、交換留学等のように1年間したら戻ってくるものがあります。
戻ってくる留学の場合、留学先での単位が、卒業に必要な単位として認められない場合は、卒業がその分遅れてしまうことになります。
ですので、留学先での単位が卒業に必要な単位として認められるかを事前に確認し、認められない場合は、卒業が遅れても留学する価値があるかを十分に検討しましょう。
また、数週間から2か月程度の短期の語学留学の場合は、留学目的が近い人が多く集まる環境を選ぶとよいでしょう。
例えば、自分が、外資系企業へ就職のために英語力を向上させたいという目的を持っているにもかかわらず、ワーキングホリデーついでに語学学校に入った人ばかりの学校に入ってしまっては、目的達成の障壁となるおそれがありますし、逆でも辛いものがあるでしょう。
また、語学力の向上を目的とする場合は、必ず日本人がいないか、または、少ない環境を選び、日本人と交流を持つ場合も外国語で交流するようにしましょう。
海外での職業体験
職業体験を目的に留学する人もいます。
海外での就業を考えている人にとって、その国でインターンシップを経験すること、とても役立ちます。
採用に直結するインターンシップもありますし、採用に直結しなくても、良い経験になるでしょう。
海外の就業に対して具体的なイメージを持つことができるようになるでしょう。
自分の将来像について、再考するきっかけになるかもしれませんし、海外の企業の就職試験を受ける際に、具体的なイメージを持っているのとそうでないのとでは、ステートメントや面接の出来栄えに雲泥の差が生じるでしょう。
海外での社会貢献
厳密にいうと留学ではありませんが、海外で社会貢献したくて、国際ボランティアプログラムや海外NPOのインターンシップに参加する人もいます。
気を付けなければならないのは、漠然とした思いで国際ボランティアプログラムに行っても、大した社会貢献もできなければ、自分の経験としても大した財産にならない可能性があるということです。
世界にはどのような問題があって、その問題に対して自分は何ができるのかということを考えたうえで、国際ボランティアプログラムに参加するべきでしょう。
国際ボランティアプログラムでは、任期の途中で帰国することは迷惑をかける可能性があります。
社会貢献について、具体的な問題意識や責任感がもてていないのであれば、まずは国内も含めて短期の社会貢献プログアムを体験して、具体的なイメージを持ったうえで、国際ボランティアプログラムに参加するとよいでしょう。
異文化の体験
異文化体験を目的に留学をする人もいます。
若い時に異なる文化に触れることは、感性を豊かにし、価値観に変革をもたらす可能性があります。
異文化体験を目的に留学する人は、そのような可能性に期待しています。
特定の文化に興味があって、将来、そのことに関する仕事がしたいという明確な目的があればよいと思いますが、受け身の姿勢で何となく異文化に触れても、このような変革が訪れるとは限らず、ただ、楽しかったというだけの留学になりかねません。
別の目的をもって留学する中でも、異文化体験は十分に積むことはできます。
何となく異文化体験を主たる目的として何となく留学することは、あまりおすすめできません。
まとめ
以上、留学の目的を明確にして留学の成果を最大限に高めるための簡単な方法について説明しました。
まとめると、次のようになります。
- 留学の成果を高めるために留学の目的を明確にすることが重要
- 留学業者の「目的不要」の甘言に惑わされない
- 留学目的に応じた留学プランを組む
- 目的を目標に落とし込むと、なお効果的
- 目標は到達率が確認しやすい数値目標がよい
この記事が、あなたの留学の成果を最大限に高めるための一助となれば幸いです。
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