TOEIC高得点ならどんなところに就職できる?その職種や業界とは?

TOEIC 就職

※本記事は三枝由香利が監修しています。

TOEICは1970年代から開催されており、いまや世界150ヶ国、700万人もの受験者が自身の英語力を計る試験として受験しています。

留学にはTOEFLが、留学希望者の英語力の目安となっていますが、TOEICは受験から就職、そして会社に入ってからも英語力を証明する手段として、いまやなくてはならないものとなっています。

ここでは、そのうち「就職」に焦点を当て、TOEICで高得点を取るとどんな会社に入れるのか?また就職するにはどのくらいのTOEICの点数が期待されているのかについてご説明してみたいと思います。

TOEIC高得点者が求められる就職口とは?

それではまず、TOEICで高得点者が求められる就職口とはどんなところがあるのでしょうか?

(1)外資系

TOEIC高得点の方を求めている就職口といえば、まず頭に浮かぶのが「外資系」です。

外資系に入るにはまず英語が必須で、それを証明するためにTOEICなら850点、900点を取るのは必須、と思いがちです。

しかし、部署にもよりますが、必ずしも外資系では英語が必須であり、それもTOEICの高得点者を求めているところばかりではありません。

というのは、昨今では、M&Aが進み、日本企業と外資系が合併したところが多いからです。

合併をしたのだから、明日から皆さん、英語を使ってくださいね、というのは無理な話で、急には英語を社内公用語になどできないため、いままでの体制のまま来ているところも多いのです。

そして、同じ社内であっても、外資側との連絡には英語が出来る人を置いているのです。

後述致しますが、もちろん外資系でもバリバリに英語が必要な部署や会社もありますが、それは一部で、その場合には、TOEICを採用の目安としているところも多いです。

その場合の期待値では750点位が目安となっているようです。

(2)日本企業

日本企業だからあまり英語は必要ないだろうという考えは少し甘いです。

このご時世、よほどの大企業であっても、いつ外資系に買収されることもなきにしもあらずですから、外資系よりむしろ日本企業のほうが英語やTOEICに対してはセンシティブになっているということもできるかも知れません。

それに自己啓発の一環として、社員にTOEICの受験を課し、基準の点数を取得できないと昇進もできないといった厳しいルールを作っている会社も少なくありません。

また、会社や部署によっては、外国に工場があったり、職人とのコミュニケーションが必要であったり、原料の買い付けで値段の交渉に英語が必要であったりということもあるため、外資系よりも英語力を必要としている部分もあります。

それにはTOEICの点数で700点以上を目安にしているところが多いです。

TOEIC得点別求められる就職口!その職種とは?

TOEICの得点は860点以上のAレベルから、220点以下のEレベルまで5段階に分かれています。

TOEICの点数別の求められる就職口、またその職種にはどんなものがあるのでしょうか?

ご紹介致します。

(1)外資系営業

バリバリに英語ができるイメージのある「外資系営業」ですが、その仕事内容は、海外の取引先に行って値段を交渉したり、メーカーにこちらのイメージを伝えたりとかなり細かいところまで英語で表現しなくてはなりません。

そのため、高度な英語力もリスニング力、読解力とも必要で、さらに非英語圏の場合は現地のアクセントなどを聞き取る力も必要です。

今はTOEICのリスニングでも、標準的なアクセントのものばかりではなく、米国、英国、アジア、オーストラリアなど、英語圏だけではなく、非英語圏の人がしゃべる特徴のある英語でも聞き分けることが求められていますので、まずは、その練習も頭に入れて勉強したほうがいいでしょう。

また読解力でも日本語の新聞を読むくらいのスピードで英語の説明書やメールを読める力が必要となります。

英語力を十分に発揮できる部署に就職して、英語を駆使して仕事していれば、おのずとTOEICの得点で言えば900点くらいの実力はついてくると思われますが、就職時には、最低でもAクラスギリギリの860点くらいは欲しいところです。

(2)外資系秘書

外資系といえども前述したように、バリバリに英語を使う部署ばかりではありません。

元は日本企業だったのに、外資系と合併したばかりに、社内公用語が英語になってしまった環境の会社もたくさんあります。

このような場合は、できれば、自分で英語を使い、コミュニケーションが取れればいいけれど、無理強いはしない、といったスタンスのところが多いようです。

しかし、2020年の東京オリンピックを控え、国際化ムードが高まっている中、この機会に社内の公用語を英語にしようと意気込んでいる会社もあるようです。

外資系では、もともとの日本企業側と、合併先の外資系の橋渡しをするようなスタンスの仕事内容で人材を採用している場合もあります。

外資系の場合は、日本企業と会社組織の構造そのものが違っていて、部署の中に例えば人事担当がいるといった場合もあります。

同じ部署なのに、外資系側から来た英語メールが読めないといった場合は、この橋渡し役がメールを日本語に翻訳し、旧日本企業側に配信するといった仕事もあります。

主に「秘書」と呼ばれる人がその役割を担っていて、外資側、日本企業側両方のサポートをしてくれます。

例えば、前述の社内メールから出張の手配、本社から来日する場合の外国人社員の世話などの仕事があります。

こうした仕事内容であれば、交渉するよりは語彙力も問われませんので、TOEICで言えば700~750点位あれば、採用基準をクリアできるでしょう。

また、毎日英語に囲まれて仕事をしていれば、TOEICの得点もだんだん上がってくるのは、実感できると思います。

(3)日本企業メーカー営業

日本企業であっても商社やメーカーなど、海外に自社の工場があったり、技術者やデザイナーを雇っていたりといった場合には、営業職の社員を出張させて現地の社員とコミュニケーションを取らなくてはいけません。

海外の社員が日本語を話すよりは、こちらが英語を話す確率のほうが高くなります。

それには日常会話から一歩進んで、専門的な用語や細かい表現までが必要となるため、TOEICで言うと800点クラスの実力が必要となります。

また、まったく英語を使わない部署でも、自己啓発や社内教育の一環として、TOEICの受験をチャレンジ項目に挙げている会社も多くなってきました。

まったくTOEICに興味を示さない人もいるかも知れませんが、近頃では企業が社員に期待するTOEICの得点も高くなってきている傾向があり、その傾向は年々高くなっていると言えます。

なお、企業が社員に求めるTOEICの得点数は役職によって違い、管理職なら520~580点、英語使用部署ではもっと高く、600~665点となります。

しかし、実際には100点程度は低い点となっているようです。

就職のためにTOEIC点数を伸ばすには?

それでは就職のためにTOEICの点数を伸ばすにはどんな方法があるのでしょうか?

(1)短期留学

かつては留学というと、アメリカやイギリス、カナダなど英語圏への留学が主でしたが、近年ではフィリピンや韓国など比較的日本から近距離で、物価も安くリーズナブルに留学できるところが人気となっています。

むしろ外資系では時差の関係で、実際に電話でしゃべったりするのはアジア地域の人達なので、アジアの英語に慣れておくというのは得策かも知れません。

留学してTOEICの点が高くなるのか?という点なのですが、実際に英語の環境に身をおくことで、リスニングとリーディングの相関関係もあるため、総合的な英語脳が発達することになりますので、大変有効かと思われます。

ただし、TOEICの受験には一種のテクニックのようなものも存在しますので、それは後から別に抑えておく必要があります。

(2)国内で塾に通う

企業がTOEIC受験を義務付けたり、M&Aである日突然自分の会社が外資系になってしまうという現状も多いことから、TOEICコースをもつ塾も増えています。

それは普通の英会話スクールだったり、もっとマイナーな新興の塾であるケースもあります。

TOEICに特化したコースなので、基本的な受験対策から、パート問題を解く順番など、TOEICならではの受験テクニックなどを教えてもらうことができるでしょう。

TOEICはただ英語の知識があるだけではダメで、ある程度、受験テクニック次第で高得点が取れるという部分もありますので、こうした専門的なテクニックを教えてもらうのも必要な場合もあります。

(3)ラジオ講座

TOEICの受験対策にラジオ講座は必要なのか?と思われるでしょうが、毎日同じ時間に行われるNHKのラジオ講座はかなり英語力UP、TOEIC対策にも有効です。

とくにビジネスパーソン向けの「入門ビジネス英語」および、「実践ビジネス英語」はおすすめの講座です。

入社してからも使える、かなり実践的なフレーズが多く、助けられる場合も多いと思います。

また、TOEICでも頻出のフレーズも多く載っているのも特徴として挙げられます。

特に「実践ビジネス英語」講師は、長年NHKのラジオビジネス英語の講師を勤めてきた方なので、教え方も上手く、とてもわかりやすいのが特徴です。

(4)アプリ

1日あたり66円でTOEICが勉強できると評判なのが、リクルートの「もうひとりで頑張らない。TOEICオンラインコーチスタディサプリENGLISH」のようなアプリです。

かなり濃い内容で月単位のパックになっており、6ヶ月パックなどだと15,000円程度と高額ですが、スキマ時間にTOEICの勉強ができるのはかなり効果的です。

まず、無料アプリとしては国内外の短いニュースが届く「Study Now」がおすすめです。

英語→日本語文、熟語の意味、ニュースの解説などが付属しており、ネイティブスピーカーの音声は有料となっています。

また、リスニングパートでは、なんと無料の「TOEIC公式アプリ English Upgrader」もおすすめです。

ホテルでのトラブル、アポを変更する、発注をする、など実践的なエピソードが用意されており、音声も聴けて日本語訳も見ることができ、フレーズの一覧も確認できます。

また、「クイズモード」では、TOEICのリスニングパートさながらの三択クイズが出題されるため、かなり本番に近い学習ができるのが特徴です。

また、大量にリスニングパートを解くなら、「TOEICテストリスニング360問」もおすすめです。

このアプリはTOEICのリスニングパートに特化したアプリで、エピソードを1つずつダウンロードするシステム。

4ヶ国のネイティブスピーカーの音声が聴ける上、ひとつずつ解説がついており、確認しながら学習をすすめることができます。

また、600点、730点、860点のレベルがあり、レベルに合わせたところから始められるのも嬉しいポイントです。

まだ音声データとしてのエピソードの数はそれほど多くないですが、今後も追加される予定です。

まとめ

ここでは、TOEIC高得点者だとどんな会社に就職できるのか?

また、会社の中でもどんな部門がTOEIC高得点者を必要としているのか?についてご紹介致しましたが、いかがだったでしょうか?

TOEICは今や日本のみならず、世界中で自分の英語力を証明する手段として使われています。

リスニングパートとリーディングパートに分かれており、それぞれのパートには相関関係があるなど、科学的に設計された画期的な英語力証明試験だと言えます。

TOEIC高得点者を必要としている会社は、なにも外資系だけではありません。

外資系を受験するにはTOEIC取得は当たり前すぎてもはや話題にもならない場合もありますが、外資系に就職したければ、800点程度あればアピールになるでしょう。

また、日本企業でも近年はTOEIC取得が義務付けられているところも多く、自己啓発とM&Aなどのグローバル化対策として取得する人も多く見られます。

TOEICを取得していると就職や業務に役立つというだけではなく、基礎的で実践的な英語力も身につくため、海外旅行や留学などにもあとあとまで役立ちます。

是非、一度トライしてみられることをおすすめします。

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