英語の発音を簡単に短期間でネイティブ並みにする方法

英語 発音

※本記事は三枝由香利が監修しています。

日本人は、英語の読み書きはある程度できるようになっても、スピーキングに関しては、日本人っぽい発音がなかなか抜けません。

この記事では、発音に関する知識を効率的に身に付けて、英語の発音を簡単に短期間でネイティブ並みにする方法を紹介します。

正しい発音を身に付けることは、スピーキングだけでなく、リスニング力の向上にもつながります。

発音の仕組みを理解すると、ネイティブの発音が聞き取りやすくなるからです。

この記事が、あなたの英語の発音を簡単に短期間でネイティブ並みにする一助となれば幸いです。

発音記号を覚える

英語の発音は発音記号によって表されます。

発音記号を覚えると、発音が分からない単語に出くわしたときに、その単語の発音記号を調べることで、その単語を正確に発音できるようになります。

各発音記号の発音の仕方は、お手持ちの英和辞典にも載っているかと思いますが、ウェブでも紹介しているサイトがありますので、いかにリンクを張っておきます。

発音記号一覧

また、発音がわからない単語の発音記号を確認したい場合は、weblioというウェブサイトが便利です。

weblioはオンライン辞書の一つで、英和辞書と和英辞書の機能が特に充実しています。

単語の発音記号、意味、例文等を確認できるほか、スピーカーアイコンをクリックして発音を音声で聴くことができます。

なお、単語の発音を音声で確認したい場合は、Googleで「その単語+意味」で検索すると便利です。

例えば、「English」の発音を確認したい場合は、「English 意味」で検索します。

そうすると、検索結果の最上部に、スピーカーのアイコンともに、その単語の意味が表示されます。

スピーカーのアイコンをクリックすると、発音を聴くことができます。

ネイティブのような発音を身に付けるためのポイント

発音記号を覚えると正確な発音を身に付けることができますが、それだけでは、ネイティブスピーカーのような発音にはなりません。

ネイティブスピーカーが話しているのを聴くと、何度聞いても聞き取れず、とても発音記号通りに発音しているとは思えないことがあるでしょう。

実は、ネイティブスピーカーは、ところどころ、発音記号通りに発音していないのです。

ネイティブスピーカーは話を聴き取り、ネイティブスピーカーのような発音を身に付けるためには、次の3つのポイントをマスターしなければなりません。

  • Flap T(フラップ・ティー)
  • Reduction(リダクション)
  • Linking(リンキング)

以下、それぞれについて説明します。

(1)Flap T(フラップ・ティー)

まず、フラップについて説明します。

flapとは、「はたく」というような意味を持つ英単語です。

通常、「T」の発音は、舌先を上の葉の付け根につけて、舌先を話した瞬間に「トゥ」と発音する破裂音です。

「T」の発音は比較的エネルギーを使うので、「T」の音を別の簡単な音で代用することがあります。

その音は、「D」と日本語のラ行の間のような、舌足らずのラ行というような音で、舌先で上あごを優しく「はたく」ように発音します。

このフラップTは、どのようなときに使われるのでしょうか?

英語にはアクセントの強弱がありますが、「T」の直後の母音にアクセントが付かない場合、その「T」はがフラップTになります(母音とは、「a」、「e」、「i」、「o」、「u」の音のこと)。

フラップTになるTには次のものがあります。

  • water
  • better
  • meeting
  • later
  • eating
  • daughter
  • photograph
  • thirty
  • party
  • dirty
  • imported
  • get up
  • shut up
  • check it out
  • What are you doing?

反対に、「T」の直後の母音にアクセントが付く場合、その「T」はフラットTにはなりません。

フラットTにならない「T」には、例えば、次のものがあります。

  • hotel
  • thirteen
  • photography
  • attend
  • tennis
  • time
  • top
  • September
  • attack

(2)Reduction(リダクション)

次に、Reduction(リダクション)について説明します。

「reduction」とは、「削減」等の意味を持つ英単語です。

ネイティブスピーカーは、特定の音を発音しない場合や極めて弱く発音する場合があります。

このような音の脱落や弱化のことをリダクションと言います。

リダクションは発音記号上では発音することになっており、この点で、「know」の「k」等のように、元々発音されないものとは異なります。

リダクションは、次の3つのルールに大別されます。

  • 同じ子音の重複は一度しか発音しない
  • 語尾や子音の前の破裂音はほとんど発音しない
  • 機能後に発音は弱化することが多い

以下、それぞれについて説明します。

①同じ子音の重複は一度しか発音しない

同じ子音の重複は一度しか発音しないというルールがあります。

子音とは母音以外の音のことです(例えば、「k」、「g」、「s」、「z」等の音のこと)。

子音には、声帯の振動を伴わずに発生する無声音と、声帯の振動を伴って発生する有声音がありますが、有声か無声かの違いがあっても、口の動きが同じ音は、同じ子音とみなして、前の音を発音しません。

同じ口の動きの組み合わせとしては、次のようなものがあります。

  • SとZ
  • FとV
  • TとD
  • PとB
  • KとG
  • CHとJ

なお、letterの「t」のように、一つの単語の中に重複する文字がある場合は、重複して発音しないのは当たり前で、letterの発音記号を確認しても「t」を重複して発音しないようになっています。

これはリダクションと言いませんし、letterの「t」を重複して発音してしまう人もいないでしょうから、特段問題にはなりません。

問題は、前の単語の語尾と後の単語の語頭で重複が起こった時です(複数の単語が組み合わさって一つの単語になった場合も含みます(例えば、「hotdog」))。

以下、例を紹介します。

赤文字が発音されない文字です。

  • big game
  • good time
  • I’ve found
  • hotdog
  • cupboard

②語尾や子音の前の破裂音はほとんど発音しない

次に、語尾や子音の前の破裂音のリダクションについて説明します。

語尾とは単語の最後の音のことです。

破裂音とは、次の6つの音のことです。

  • P
  • B
  • K
  • G
  • T
  • D

例を以下に示します。

赤文字がほとんど発音されない文字です。

  • good morning
  • good night
  • good by
  • popcorn
  • get back
  • help me
  • doctor
  • handbag

③機能語の発音は弱化することが多い

英単語は、内容語と機能語に分類されます。

内容語とは「名詞・一般動詞・形容詞・副詞・疑問詞・指示代名詞・所有代名詞・再帰代名詞」等の主として語彙的意味を表す語のことで、機能語とは「be動詞・助動詞・前置詞・接続詞・冠詞・人称代名詞・関係代名詞」等の主として文法的機能を果たす語のことです。

機能語は通常の発音以外に弱形の発音を持っている単語が多く、そのような単語をネイティブスピーカーが使う場合、弱形の発音が用いられることが多いのです。

弱形の発音記号を併記している辞書が多いので、一度確認してみるとよいでしょう。

例えば、be動詞の「am」を調べると、「(弱形) (ə)m; (強形) ˈæm」と記載されています。

強形というのは、通常の発音のことです。

日本の学校では、この発音で教わることが多いと思います。

しかし、ネイティブスピーカーは、弱形の発音を主に用います。

「am」は弱形になると、強い母音である「æ」が曖昧な母音である「ə」になったり、「ə」すらも発音されずに「m」だけになったりします。

ネイティブスピーカーの発音を日本人が聴き取れない主たる原因は、弱形の発音から元の単語を想起できないことにあります。

ですので、弱形の発音を耳で覚えておくことによって、リスニング力は大きく向上します。

なお、自分が話す際も弱形の発音を用いなければならないかというと、そういうわけではありません。

ネイティブスピーカーでない人が、無理して弱形の発音を用いることによって、聴き取ってもらえにくくなってしまう可能性があります。

弱形は、発音が上手くなってきてから徐々に取り入れていくとよいでしょう。

弱形をマスターすると、英語特有のリズムが生まれるので、流暢に、ネイティブのように喋ることができるようになるでしょう。

ここでは、使用頻度の高い人称代名詞の弱形について、説明します。

人称代名詞の弱形は、頭の「H」の音がリダクションすることが多いです。

「H」が語頭にくる主な代名詞には、次の4つがあります。

  • he
  • his
  • him
  • her

これらの代名詞が、文頭ではなく、文中に来た場合、「H」はあまり発音されないのです。

例文を紹介します。

赤文字があまり発音されない「H」です。

  • He is nice, isn’t he?
  • I know his name.
  • I know him.
  • I know her.

(3)Linking(リンキング)

次に、リンキングについて説明します。

リンキングとは、単語の最後の音と次の単語の始めの音がリンクする(繋がる)ことです。

「Thank you」を「サンク ユー」と分けずに「サンキュー」とつなげて発音する類のことです。

リンキングは、子音と母音がリンクする場合と、子音と「Y」がリンクする場合とがあります。

ちなみに、フランス語で単語が連結する際の法則をリエゾンというので、英語の単語連結のこともリエゾンと呼ばれることもありますが、英語では正しくはリンキングと言います。

フォニックスを覚える

知らない単語が出てきたときに、いちいち発音記号を調べなければならないのは、結構手間ですよね。

英語の発音には、規則性があるので、発音記号を調べなくても、ある程度予想することができます。

このように規則性から読み方を予測する方法をフォニックス(phonics)といいます。

もっとも、イレギュラーな読み方をする単語もあるので、フォニックスを覚えればすべて読めるというわけではありません。

それでは、フォニックスの説明に移ります。

(1)母音に関するルール

まずは、母音に関するルールから説明します。

①母音には短母音と長母音がある

母音は、短母音と長母音に別れます。

読み方は下表のようになります。

短母音 長母音
a エイ
e イー
i アイ
o オウ
u ウー

母音はこのように短母音と長母音がありますが、実は、つづりのパターンによって、短母音で読む場合と、長母音で読む場合に分けられるのです。

様々なパターンについて説明します。

②母音+子音の場合

母音の後に子音が来て、それで単語が終わる場合、その母音は短母音になります。

このパターンには、dog(ドッグ)、cat(キャットゥ)、leg(レッグ)等があります。

③母音+子音+eの場合

母音の後に子音が来て、その後にeが来て単語が終わる場合、その母音は長母音になり、最後のeは発音しません。

このパターンには、lake(レイク)、bike(バイク)、cake(ケイク)等があります。

④子音+母音の場合

子音の後に母音が来て、それで単語が終わる場合、その母音は長母音になります。

このパターンには、go(ゴウ)、me(ミー)、we(ウィー)等があります。

⑤母音が連続する場合

母音が連続する場合は、一つ目の母音は長母音に、二つ目の母音は無音になります。

このパターンには、coat(コウトゥ)、train(トゥレイン)等があります。

⑥母音+子音+子音+eの場合

母音の後に子音が連続し、その後にeが来て単語が終わる場合、その母音は短母音になり、最後のeは無音になります。

このパターンには、simple、dance等があります。

(2)子音に関するルール

次に子音に関するルールを紹介します。

①「Y」についてのルール

「Y」は、子音としての面と、母音としての面を併せ持つ半母音です。

ですので、状況によって、子音になったり、母音になったりします。

Yが子音になるのは、単語の頭にYが来る場合です。

yellowやyes等が、このパターンです。

この場合、日本語のYは日本語のヤ行の子音のような役割になります(日本語のヤ行よりも強く息を吐き出します)。

語頭以外に来る場合は、母音のiと同じになります。

Yの前が母音の場合は、前述の通り、母音が連続することになるので、Yは無音化します。

keyやdayが、このパターンです。

Yの前が子音の場合は、子音+母音になので、前述の通り、長母音になります。

Y(=i)長母音は「アイ」ですので、例えば、dryはドゥライと発音します。

②「C」についてのルール

Cは、子音ですが、Sと同じ音になる場合と、Kと同じ音になる場合があります。

Sと同じ音になるのは、Cの後に、Eまたはiが来る場合です。

Kと同じ音になるのは、Cの後に、A、OまたはUが来る場合です。

まとめ

以上、英語の発音を簡単に短期間でネイティブ並みにする方法について、説明しました。

まとめると、次のようになります。

  • 発音記号を見て正確に発音できるように練習する
  • フラップT、リダクション、リンキングをマスターする
  • フォニックスを覚える

この記事が、あなたの英語の発音の向上に貢献できれば幸いです。

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